ポーランドのWBグループと韓国のハンファ宇宙航空は、ポーランドにおける高度なロケット弾薬の開発と生産に焦点を当てた合弁会社を設立するための画期的な業務契約に署名しました。このパートナーシップは、ポーランド軍のロケットランチャーシステム用のミサイルを供給することで、ポーランドの防衛能力を強化することを目指しています。
KADEXでの戦略的署名
この契約は、2024年10月2日に韓国の鶏龍台軍事本部で開催された韓国陸軍国際防衛産業展示会(KADEX)で正式に締結されました。WBグループの旗艦企業であるWBエレクトロニクスS.A.の社長ピオトル・ヴォイチェホフスキと、ハンファ宇宙航空のソン・ジェイル総局長が契約に署名しました。ポーランド国防省の国家秘書官パヴェウ・ベイダや、韓国の防衛取得プログラム管理局(DAPA)のヒョン・キ・チョなど、重要な防衛関係者が出席し、このパートナーシップの戦略的重要性を強調しました。
ミサイル開発と技術移転に焦点を当てる
この契約は、ポーランド国内でミサイルを開発・生産する合弁会社の設立を概説しており、国の防衛製造能力を強化するための包括的な戦略の一環です。このパートナーシップは、2024年9月4日に署名された覚書(MoU)に基づいており、ポーランドのホマール-Kロケットランチャーシステム用に設計されたCGR-080ミサイルの共同生産の基礎を築きました。
この新しいベンチャーは、CGR-080ミサイルの生産を目指すだけでなく、ポーランドの防衛産業への技術と知識の移転にも焦点を当てています。この協力は、ポーランド国防省の要求を満たす新しいミサイルタイプの開発を進めることを目指しています。契約には、生産施設のための資産取得、安全評価、および実施のための明確なタイムラインを含む重要なステップが詳述されています。
生産の「ポーランド化」:ポーランドの関与を強化
プロジェクトを最終化する努力の中で、WBグループとハンファエアロスペースは製造プロセスの「ポーランド化」を強調しています。このアプローチは、生産方法を適応させることでポーランドの関与を最大化し、地元産業が協力から大きな利益を得ることを確保することを目指しています。両社の産業実現可能性調査は、プロジェクトの実行可能性を確認し、市場、エンジニアリング、および研究開発計画を概説しました。また、土地を確保し新しい生産施設を設立するために必要な物流および組織的なステップも強調しました。
ポーランドの防衛能力の強化
この共同事業は、ポーランドの防衛インフラと自立性を強化するための重要なステップを表しています。先進的なミサイル技術と生産能力をポーランドにもたらすことで、WBグループとハンファエアロスペースは、ポーランド軍のニーズや将来の輸出市場に応じることができる堅牢な防衛産業の基盤を築いています。
地域安全のための戦略的同盟
この合意は、ポーランドと韓国の間のより広範な戦略的同盟を象徴しており、地域の安全保障と防衛協力を強化することを目的としています。韓国の先進的なミサイル技術とポーランドの産業能力を組み合わせることで、両国はヨーロッパ及びそれ以外の地域におけるミサイル生産のリーダーとなる準備が整っています。このパートナーシップは、ポーランドの長期的な防衛戦略と一致しており、国家の「ポロナイゼーション」イニシアティブの下で最先端の防衛製品の製造拠点としての地位を確立しています。
合弁事業が進展するにつれて、両社はミサイル技術のさらなる革新を開発することが期待されており、ポーランドの防衛能力を強化し、グローバルな防衛市場における重要なプレーヤーとしての役割を固めることになります。